謎めくチェシャ猫の英語名言10選 /『不思議の国のアリス』
簡単なあらすじ
Alice in Wonderland (1951) Trailer #1 | Movieclips Classic Trailers
ある日退屈な時間を過ごしていたアリスは、時計を持った白うさぎを見かけ、追いかけているうちに穴に落ちてしまう。
たどり着いたのは世にも奇妙なへんてこりんな世界。体が伸び縮みしたり、不思議なしゃべる猫に出会ったり。気づけば帰り道を忘れ途方に暮れるアリス。終いにはハートの女王に追いかけられて脱出を試みるとそこにいたのは予想外の人物だった。
チェシャ猫はアリスが迷った時にふわりと登場する、道先案内人の役割です。実写版「アリス・イン・ワンダーランド」では残念ながらほぼ活躍シーンがないので、アニメ版から名言を紹介していきます。
名言①「この俺は 摩訶不思議 魔力を持った猫さ」
♪
By チェシャ猫
’Twas bring and the slithy toves.
Did gyre and gimble in the wabe.
All mimsy were the borogoves.
And the more rates outgrabe.
この俺は 摩訶不思議 魔力を持った猫さ そこらのやつらとは偉さが違う
[38:40]チェシャ猫の初登場シーン
チェシャ猫が口ずさみながら登場するときの歌。英語と日本語では大きく内容が異なっています。英語がわかる人が見ても、全く日本語訳からはかけ離れているし、そもそも英語自体がよくわからなくないでしょうか。
実はこれは原作小説に出てくる「ジャバウォックの詩」の一部なんだそうです。>Wikipedeia
アリスは著者によるオリジナルの言葉遊びが多いことで有名。実際に私は原作を読んで難しく感じたのですが、気になる方はチャレンジしてみてください。映像作品よりも強烈な不思議の世界観を楽しめます。>Kindle無料で読めます
名言②「それはニャー あんたがどこへ行きたいかだニャ」
Well, that depends on where you want to get to.
By チェシャ猫
[39:50]チェシャ猫の初登場シーン
はじめて会ったチェシャ猫に「わたし、どっちへ行ったらいい?」と聞くアリスへのお返事。ごもっともな回答です。どこへ行きたいかもわからない人に、的確なアンサーを出すのは難しいもの。なんだか普段の生活や仕事のシーンに重なるものがありますよね。
・depend on 〜次第
名言③「そんニャら道聞くことはニャーわけだ。どっちへ行っても同じこと」
Then it really doesn’t matter which way you go.
By チェシャ猫
[39:57]チェシャ猫の初登場シーン
「とりあえず、どこでもいいから行きたい」というアリスへのお返事です。こちらもやはりご名答。さすがチェシャ猫さんです。どこでもいいということは…どこにだって行ける。とがめる人もいなければ、道をまちがうことすらありません。決めるのは自分自身の気持ちのみですね。
・it does’t matter 問題ではない
名言④「あんた頭で立てるかニャー?」
Can you stand on your head?
By チェシャ猫
[40:35]チェシャ猫の初登場シーン
「白ウサギはどこ?」のアリスの質問攻めをふわりとはぐらかしつつ、自分の頭に乗っかる奇天烈なチェシャ猫さん。一見茶化してるように見えて、わたしには「あんた、頭かたいニャー」という風に聞こえました。探してるものが見つからないなら、思いもしない方向に捜しに行くのもまたひとつの手。答えは意外な場所に眠ってたりするものですよね。
名言⑤「まっ先にへんてこで有名なマッドハッターに聞くね」
However if I were looking for a white rabbit,
By チェシャ猫
I’d ask the Mad Hatter.
[40:38]チェシャ猫の初登場シーン
答えをはぐらかしつつ、ちゃんと大きな手がかりも与えてあげるやさしいチェシャ猫さん。なんでヘンテコなマッドハッターをすすめたの?を考えてみると、きっと”視点を変えろ”というアドバイスなんじゃないでしょうか。ディズニー作品のほとんどに登場する大切な考え方。自分の固定観念の枠を飛び越えたところに、未来が待っているみたいですよ。
・I’d ask 聞くだろう
「I would 〜」で未来の意図を表現します。
名言⑥「そんな事言ってもどうにもならんニャ〜」
Oh you can’t help that.
By チェシャ猫
[41:05]チェシャ猫の初登場シーン
白ウサギを捜すヒントを与えたところ、「わたし行きたくない」と駄々をこねるアリスへのお返事です。聞いたのはアリスなのに、行きたくないならどうにもならない。与えられた環境でわずかな光を掴みに行く、それが人生です。怒りもせずに誘導してあげるチェシャ猫は、道先案内人として超優秀ですね。
・you can’t help that しかたがない
名言⑦「ここじゃみんながヘンテコなのさ」
Most everyone’s mad here.
By チェシャ猫
[41:05]チェシャ猫の初登場シーン
不思議の世界にいる人たちは、みんなヘンテコ。このセリフのあとにチェシャ猫は笑うんですが、それがなんとも不気味な笑いでたまりません。自分のあたりまえが通用しない世界はツラいけど、今いる世界だって考えてみればみんなヘンテコ…とは思いませんか?どっちがヘンテコかわからなくなってきます。
・mad 狂っている
名言⑧「もちろんこの私だってヘンテコ」
I’m not all there myself.
By チェシャ猫
[41:15]チェシャ猫の初登場シーン
チェシャ猫は自分だけ優秀…なんてことも言いません。ヘンテコ世界の住人として潔く自分を受け入れています。この英語表現、ちょっとわかりづらいですね。「all there まとも」という意味なんだそうです。
・all there 正常で、まともで
名言⑨「当たり前だろ。君なんぞに道があるわけないよ」
Naturally.
By チェシャ猫
That’s because you have no way.
[56:30]迷子のアリスをガイドするシーン
最初の出会いからあちこち行って、帰る道を見失ってしまったアリスへの言葉です。単純に迷子になったアリスを思って聞けば冷たい発言ですが、人生という道を示唆しているならば、かなり深いセリフです。自分が進んだところだけが、たったひとつの道。決められたレールがあれば、人生楽ちんなのに…ですね。
・That’s because その理由は
名言⑩「俺ならどうするかって言えばだニャ、やっぱり近道を通るよな」
But as for me, myself, personally,
By チェシャ猫
I prefer the short cut.
[57:00]アリスがハート女王の国へ向かうシーン
「ハートの女王にどうしたら会えるの?」とまたも質問するアリス。あいかわずチェシャ猫もどっちに行ってもいいと言いつつ、近道を教えてあげます。このあとアリスはさんざんな目に遭うけれども、けっきょくは家へ帰る道でした。遅かれ早かれ、アリスがいつかは通らなければならない試練だったのでしょう。
・as for me 自分なら、自分としては
・personally 個人的に
・prefer 〜を好む
まとめ
一度見たら忘れられない摩訶不思議猫「チェシャ猫」の名言、いかがでしたでしょうか。わたしの場合、大人になってからアリスとチェシャ猫のやり取りを見てみると、彼が至極まともな存在に思えてくる不思議現象に出会えました。吐き出す言葉全てが人生とは?の学びを与えてくれますよ。みなさんも改めてチェシャ猫のセリフに注目して、アリスを楽しんでみてくださいね。