“英語を修むる青年はある程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい、少し解らない節があって其処は飛ばして読んでいってもドシドシと読書していくと終いには解るようになる、又前後の関係でも了解せられる、其れでも解らないのは滅多に出ない文字である、要するに英語を学ぶ者は日本人がちょうど国語を学ぶような状態に自然的習慣によってやるがよい、即ち幾変となく繰り返し繰り返しするがよい、ちと極端な話のようだが之も自然の方法であるから手当たり次第読んでいくがよかろう。
多読のすゝめ 夏目漱石『現代読書法』 (1906年月10日)
英語をマスターした稀代の文豪・夏目漱石氏の勉強法はなんと多読です。とにかくむちゃくちゃに読むのがよいそうです。"ある程度まで修めたら"と漱石も言っているように、基礎力が付いているのが前提条件での多読のすゝめ。
洋書はじめたてだとなかなか慣れずに進まない方。倍速で洋書が読める「聞き読み」にチャレンジしてみてください。
やることは単純。オーディオブックを再生しながら洋書を読む。これだけで読書スピードは3倍、気づいたときには一冊読了できています。
ひとりでひっそりと感動していまして…みなさまにも同じように爽快感をぜひ味わっていただきたく、今日の記事を執筆しています。
※英語力アップ(特にリスニング)も感じていますが、まだ聞き読みはじめて日が浅いので略、時が経ってからまとめます。
洋書を瞬殺読破できる裏ワザ
英語多読には、いちおう下記のようなルールがあるようです。
英語多読三原則
- 辞書はひかない
- わからないところは飛ばす
- つまらなければやめる
①と②はまぁイコールですね。つまり、やたら調べたり戻ったりしないで推測力を身につけろってことですね。ただ...わからない言葉が多ければ当然つまらないので、やめる本ばっかりになってしまいます。
となるので、次に登場するお約束ごとが「かんたんすぎるくらいの本を選ぶ」です。ただ、洋書多読をはじめたばかりの日本人にとってのかんたんすぎる本は、絵本や幼児向け。…理想の読書にたどりつくまえに挫折してしまう気もします。
洋書聞き読みのやり方
なので三原則はほどほどに。目と耳ダブル使いすると、お互い補完し合うのでしょうか。読むだけではつまづいてた部分も不思議と推測力があがって、違和感なく進めちゃいます。まずは一度お試しください。
①本を探す
まずは、読んでみたい本を探します。純文学が好きなのに絵本、ミステリーが好きなのに児童ファンタジー、とかしないでいいです。嗜好にきっちりはまったものを探してください。
好きな本を選ぶのは「気になってたまらない」のモチベを作るためです。夏目漱石あげいん。
夏目漱石『現代読書法』 (1906年月10日)
“英語は斯ういふ風にやつたらよからうといふ自覚もなし、唯早く、一日も早くどんな書物を見ても、それに何が書いてあるかといふことを知りたくて堪らなかつた。それで謂はゞ矢鱈に読んで見た"
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試し読みでレベルチェック
最初の2〜3ページは自力で読んでみて、無理のないレベルかチェックします。ここであまりにも難しいなら却下。特に単語がわからないものだらけなものはやめましょう(調べるしかないから)。ざっと読んでひと通り理解できるレベルならOK。
Kindleならたいてい購入前に試し読みができますので、ここで選り分け。あまりにもおとな向け本は厳しいよっていうなら、名作クラシックスや語彙制限versionから探すのがおすすめです。
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オーディオブックを探す
Kindleなら同じページから対応Audibleが1タップ購入できます。著作権フリーのクラシック系ならLoyalBooksなど、無料サイトからも見つかります。
※アプリで使える音声を推奨。オンライン上で聞くタイプだとスピードコントロールできないため
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聞き読み開始する
Kindleとオーディオブック、いよいよ同時再生オン。
音声にひっぱられて、ぐんぐん読めます。難しいなら、音声スピードを落として、無理なくついてけるレベルにすれば解決です。
多読三原則の通り、調べない、戻らないを遵守できます…が。あとで調べるようにちょっとひとてまを。
聞きながらマーカーを引いておく
わからない単語などにマーカーを引いておきます。※Kindleなら反応がいいので一瞬でマークできる
各章の読了ごとに不明点を確認
マーカーした箇所だけ自動でリスト化されているので、キリのいいところでまとめて確認します。
Kindleだと該当ページのマーカーした部分に即飛べるので、そのページだけ精読してみてもいいですね。1章終わるごとの習慣にすれば、次の章はより深い理解で読み進められます。
(+αがんばれる人)
スピーキングに使えそうな英語表現にマーカーを引く
単語や意味は理解できるけど、使ったことのない言い回しが100%の確率で登場するはずなので、こちらもマーカーしておきます。わたしは↓のように色分けしてます。
・赤→聞き取れなかった
・黄色→わからなかった
・青→慣れない言い回し
あとはスピーキングで使ってみるだけ。まさに一石三鳥ですね。不得手な部分が1冊の本でまるはだかです...!
これで1冊あっというまに読み終わります。100ページ程度の本だと、その気になれば1日で読み終われる。エルマーの大冒険あたり、ちょっと試してみるのにちょうどよいかも。時間節約できた分、リピ読みできる余白タイムも生まれますよ〜最高です。
リスニング矯正への高い効果
ところでみなさん、読書するとき、内なる声聞こえてませんか?
人が文章を読むときには、まず「眼球停留」といって、眼球が一箇所にとどまって文字や単語を知覚しますね。そして、その文字を頭の中で音に変えます。この音声化のことを「音韻符号化」というのです。こうして文字情報をいちど音声情報に変えたあと、心内辞書(メンタルレキシコン)と呼ばれる頭のなかの「辞書」にアクセスして意味を認識します。
頭の中で朗読する声。なんと「音韻符号化」って名前がついてました。これって自分自身の声らしいのです(自分の声と違く聞こえてたとしても)。だから、英語発音が正しくできていない内なる声に従ったまま多読してしまうとちょっと危険。
わたしは、ネイティブオーディオを流してはじめて聞き読みした時、自分で思ってた英語とのギャップに愕然としました。イントネーションが全く違うんですよね。へたっぴなまま、続けなくて本当によかった…。絶対変な癖ついてた…。
聞き読みはじめて2ヶ月ほどで、リスニングブレークスルーありました...!ネイティブ発音が明瞭に聞こえるようになった素晴らしい目覚めの体験が...!
3ヶ月後、半年後、1年後。積み重なってリスニング&スピーキングに多大なる貢献してくれることを信じてます。みなさんもぜひ、お試しください。
多読経過:3ヶ月×10冊=30万語
約30万語達成しました!絵本とか2度読みしたとか途中で投げたとか全部ひっくるめてこれくらいです。この時点ではまだまだ初心者ですが、英語の語彙の豊かさを知れたことが30万語突破の収穫。