2年間のオーストラリア留学経験のある友人にインタビューしてきました。ちょっと小一時間のつもりがたくさんお話ししてくれまして、2時間半に及ぶ濃厚な内容となりました。ぜひみなさまの留学情報収集にお役立てください。
「失ったことはゼロ、得たことは1億倍」オーストラリア留学【体験談】
基本情報
- 目的:夢を叶えるため
- 国都市:オーストラリア(ゴールドコースト&メルボルン)
- 制度:ワーキングホリデー
- 期間:2年
- 費用:500万円+現地での収入
留学の全体感について
ー まずは、留学を決意した理由はなんだったんでしょう?
生まれ育ったオーストラリアに戻り
また生活を送ることが夢だった
実は父の仕事の関係で、幼少期にオーストラリアの現地学校に1年ほど通った経験があるんです。日本に戻ってからも高校卒業まで、日本とオーストラリアを毎年1度は往復する生活を送ってました。
なので、生まれ育ったオーストラリアに戻り、また生活を送ることがひとつの夢としてずっと心にありました。ただ大学、社会人と年齢を重ねるごとにすっかりオーストラリアからは遠ざかってしまいましたね。
ーその理由はやっぱりお仕事ですか?
「後悔したくない」という想いから1年で渡豪
はい、仕事が大好きなのでやりがいをすごく感じていましたし、25歳の時にはヘッドハンティングで憧れの企業への転職もできました。この頃は夢とキャリアを天秤にかけた時、「今与えられた環境で精一杯がんばりたい」という想いが勝っていたんです。
ただキャリアを積んで5年目に突入した時、その企業での自分の未来が見えてしまったんです。振り返った時に後悔したくないという想いから、すぐに貯金をはじめ、1年後にはオーストラリアに出発してました。
留学を決意したのは29歳、渡豪したのは30歳。いわゆるギリホリです。
ー留学を通していちばんよかったことは、ズバリなんですか?
夢が叶った!
普通の毎日が本当に楽しかった!
これはもう「オーストラリアにまた住みたい」という夢が叶ったことです!
留学は語学目的の方が多いと思いますが…わたしにとってオーストラリアは心の故郷でもあるので、旅行ではなく現地で生活すること自体がひとつの夢だったんです。
スーパーに行ったり、洗濯したり、友達と飲みに行ったり、そんな普通の毎日が全部楽しかったです。一時は仕事に埋もれて忘れかけていましたが、行動して本当によかったです。
ー逆に、留学の大変な点だと思ったことはなんですか?
これはたくさんありますよ笑
・食事
→日本食が恋しくて辛かったです。日本食レストランに行っても別モノなので、常に脳は飢餓状態でした。
・文化の違い
→郷にいれば郷に従え、ですね。私は社会人経験を得て渡豪したので、特に仕事面での違いを感じました。「返事がこない&適当」なのはあたりまえ。本当にスローな時間が流れているので、日本の感覚で仕事とらえてしまうと自分の首を締めることに気づきました。
・ルームメイトとの関係性
→当時の悩みの種の全てになるほど大変でした。現地サイトを使ってシェアメイトを探したので、イタリア人、フランス人、ブラジル人、コロンビア人、インド人、韓国人など日本人以外が基本。ハウスルールを徹底するのは本当に本当に大変で、文化の違いの洗礼を受けました。
ー聞いてるだけで大変さが伝わってきます。2都市をまたいでいるのは、家探しなどが理由ですか?
のんびり生活から一転、
現地でキャリアを積みたくなった
いえ、理由は仕事ですね。
最初はとにかくのんびりした場所を求めてゴールドコーストにしました。日本での社会人時代は本当に怒涛の毎日を過ごしていたので、「綺麗な海に、のんびりした時間。まるでハワイ!」という響きに惹かれました。
ゴールドコーストへ行ってみて感じたことは、
- とにかく若い留学生が多い!笑
- まるでバカンス
- 初めての海外での生活にはもってこいの場所
相当癒されたので最初の都市をゴールドコーストにして正解でしたが、6ヶ月ものんびりした時間を過ごしたら働きたい欲が目覚め始めたんです。
オーストラリアでの仕事探しについて
ーゴールドコーストでは仕事探しは難しかった?
ゴールドコーストは都市も小さいので、日本食レストランで働いてる方がほとんどでした。ただ私にとっては働きたいと思える仕事がなく、代わりに現地小学校で日本語を教えるアシスタントとしてボランティアしました。とても貴重な経験をできて、採用してくれたまりこさんに感謝です。
その後、現地で情報収集して、キャリアを活かせそうなメルボルンに移動しました。
ーメルボルンでの仕事探しはスムーズにいった?
プライドを全部捨てて、
1件1件履歴書周りした
メルボルン到着後、さて仕事を探そう。
ここからが予想外の展開でした。現地の求人サイトの募集を見て応募してみましたが…返事がこないのは当たり前。じゃぁどうやって探すのか?それは働きたいお店に直接履歴書を持って行って自分を売り込む!ということでした。
それを現地の仲間に聞いた時「そんなことしたことない。できない。やりたくない。」という感情でした。笑
ただ、そんなこと言っていても仕事の話はあっちからやってこないので「この留学の期間を無駄にしたくない!」とプライドを全部捨てて、1件1件履歴書周りをしました。
ーそれは大変な経験でしたね。実際やってみてどうでしたか?採用につながった?
結果は不採用。
でもわたしを成長させてくれた
最初こそかなり緊張しましたが、3件も回れば緊張も恥じらいも何も感じなかったのを覚えています。なぜなら現地では日常茶飯事だから。私ひとりが飛び込みしたところで、現地の方にとっては「はいはいまた来たねー」って感覚なんです。
第一志望は経験を活かせるラグジュアリーブランド(※元アパレル経験者)で働くことだったんですが、飛び込み営業の結果、思いも寄らないブランドからたくさん面談のお声がけを頂きました。(シャネル、ヴィトン、プラダetc)
ただ、結果は残念ながら不採用でした。わたし以外、全員現地在住のネイティブの集団面接。言葉が早すぎる&緊張も合わさり、質問がほとんど聞き取れませんでした。ワーホリというのもネックでしたね。
とはいえ、この機会を与えてくれた採用担当の方には感謝しかありません。就職活動を続けて、最遊的には日系企業の事務として働きました。
この経験が、留学中に私を最もパワーアップさせてくれたできごとです。帰国して起業しましたが、今や飛び込み営業などへのかっぱ。日本語も通じる、同じ人種なので余裕です。
なのでみなさんにも、恐れず、いろんなことに挑戦してほしいと思っています。
現地での英語力について
ーここまでお話を伺って、気になるのはやっぱり英語力です。ビジネスレベルの英語が話せるのは現地に行ってからですか?それとも元々英語はできた?
幼少期の滞在経験はあるとはいえ、英語力はとても低かったかと思います。何年も勉強していなければ、TOEICや英検の受験経験もないので正確にはわかりませんが…
家族の付き合いのオーストラリアの友人宅に招かれた時も「なんだって?」と家族に逐一通訳してもらってました。
— 語学力に変化を感じたのはいつの頃?
英語を上達させる1番の近道は、
英語ペラペラな友人と過ごすこと
ゴールドコーストの時期は日本人と出会うことが多く、全く英語力の変化を感じませんでした。
変化のきっかけは2つあって、①メルボルンに移動して仕事で英語を使う機会が増えたこと②英語ペラペラの友人(Aさん)ができたことです。
Aさんとは毎週末必ず遊んでいて、長い週末の時間のほとんどを一緒に過ごしていました。「週末に英語力が一気に上がる」ことを実感していましたよ。
英語を上達させる1番の近道は、身近に英語が流暢な仲間をおくことです。
ーパートナーを作ると伸びる理論ですね。ちなみにひとりの時間は独学してましたか?
目に見える目標を掲げるために、
毎月IELTS受験
はい、毎日必ず教本は開いてました。IELTSかTOEICも必ず毎月申し込んで受験してましたね。
理由は何か目に見える目的を掲げないと勉強しないと思ったからです。テスト費用は高額なので適正とは思わないですが、自分自身を鼓舞するにはそれが一番でした。
ただ、本で学ぶこと(文法・単語)と流暢に話せること(英会話)の勉強法は全く違うので、どこを目指してるかで勉強の仕方は変わってきますよね。
—ということは、やはり語学力が上がったのは「英語をたくさん使ったから」ですね。
英語を使う環境に身をおけば、
必ず誰でも英語が話せるようになる
はい、その通りです。
例えばオーストラリアで仕事してたというと「えーすごいね」と言われますが、仕事で使う英語はだいたい同じことの繰り返しなのでだんだんパターンも固まってきます。だから気づいたら普通に使えるようになっているという感じ。正直誰でもできると思います。
英語を話せるようになりたかったら、アレコレ悩まずに、英語をどんどん使う&使える環境に身を置く。これをぜひ心がけてみてほしいです。
留学後のキャリアについて
ーありがとうございます。それでは留学後の話を少し。留学をきっかけにして今の仕事してますよね。どんなことをされているんですか?
起業して、オーガニック食品をオーストラリアから輸入する仕事をしています。
オーストラリアはサスティナブル製品に力を入れている国なので、スーパーに行けばオーガニック食品ずらり、の光景は当たり前でした。そんな環境がとてもワクワクして楽しかったんです。
「日本にも浸透してほしいな」と思う魅力的な商品がたくさんあったので、輸入業に着目しました。大好きなオーストラリアの商品で皆様の生活に少しでも幸せを届けられたらうれしいです。
「大好きなオーストラリアと日本を繋ぐ仕事を、自分の手でしたい」という想いは昔からあったので、今とっても満足しています。
これから留学する人へのメッセージ
ー素敵ですね!ありがとうございます。それでは、最後にオーストラリア留学を考えているみなさんに応援エールをお願いします。
「留学したいな」と思ってこの記事を見ているみなさんに、私から言えることはただひとつだけ。
海外に対する強い想いがあるならば、「失うことは何一つないので行動に移してください」ということです。
私自身、行く前はいろんな葛藤がありました。当時の私は30歳。今のキャリアを捨て行くことが正解なのだろうか?留学して何も得られなかったら?不安がなかったと言ったら嘘になります。
でも、本当に行ってよかった。失ったことはゼロ、得たことは1億倍。あの時あの決断とあの意思を貫いてくれた自分に感謝。というのが素直な感想です。
みなさんも悔いの無いように人生を選択してください。今やりたいと強く思い続けてることは、5年後、10年後、50年後もやりたいこと…やりたかったことになります。少しでも私の体験談がみなさんの背中を押すきっかけになればうれしいです。