多読 Review #01
趣味として楽しむための英語で読書開始を決めて、はじめて「読み切れちゃった!」ってなった本。
まずは初心者定番本から...と「くまのぷー・不思議の国のアリス」と児童書をはしごしたのだけれども、イマイチ没入できずに乗り換えての3冊目。英文はわりとシンプル、登場人物も少ない上に、早い段階で物語のしかけが動き出す。さくさく進むのに簡単すぎないほどよい負荷が心地いい。洋書ビギナーの大人のみなさまにイチオシできる作品です。
"ライオンと魔女"はナルニア物語全7部作の第2章です。ハリポタや指輪物語のような有名ファンタジー大作はハードルが高い。本作なら各部完結&1週間もあればkindle片手に読み切れるボリューム感。読み放題対象本なのでまずは1冊、試し読みからぜひどうぞ。
作品の読みやすさ
The Lion, the Witch and the Wardrobeナルニア国物語:ライオンと魔女
著者:C・W・Lewis
初版:1950年
ジャンル:ファンタジー児童小説
ONCE THERE WERE FOUR CHILDREN whose names were Peter, Susan, Edmund and Lucy.
The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia) C. S. Lewis
かつてピーター、スーザン、エドムンド、そしてルーシーという名前の4人の子供たちがいた。
主役は幼い4兄弟
戦乱の中ロンドンの古いお屋敷に疎開した男2人女2人の幼い4兄弟。ある日みんなで隠れんぼ。末っ子ルーシーはワードローブへ飛び込みます。しかし、そのワードローブこそナルニア国への入り口でした。
"Why, it is just like branches of trees!" exclaimed lucy.
"なんで木の枝みたいなのがあるのよ!"ルーシーは叫んだ。
なぜか見たこともない雪の世界に来てしまったルーシー。しかし、偶然にも人のいいタムナスに出会い、暖かい部屋へ行き、ごちそうを食べ、そしてナルニア国がなぜ冬なのかを教えてもらいます。
"It's she that makes it always winter. Always winter and never Christmas"
The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia) C. S. Lewis
ずっと冬にしてるのは彼女だよ。いつも冬だしクリスマスも来ない。
本当に悪者?ナルニア国を冬の世界に閉じ込めた白魔女
ナルニアがいつも冬なのは白魔女White Witchの魔法のせい。タムナスも本当はルーシーを魔女に差し出さなければならなかったのですが、彼女を元の世界へ帰してあげます。
無事に兄弟の元へ戻ったルーシー。しかし、このことを兄弟に話すとまるでうそつき呼ばわり。ナルニアであんなにたっぷり楽しんだはずのに、それは時間にしてほんの数分のことだったから。
ところが一番小馬鹿にしていたエドムンドがナルニア国へ足を踏み入れてしまうことに。ここでするりと登場するWhiteWitch。魔女はエドムンドを手厚くもてなし「4人兄弟みんなでおいで」とエドムンドに言い残し元の世界へ帰しました。魔女とエドムンドの秘密の約束です。
”And by the way,”said the Queen, "you needn't about tell them about me"
The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia) C. S. Lewis
「それからね」女王は言った、「わたしのことは彼らに言う必要ないわ。」
”If your sister has met one of the Fauns, she may have heard strange stories about me"
The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia) C. S. Lewis
もし妹さんがFaun(タムナス)に会ったら、わたしのおかしな話を聞かされてるかもしれないからね。
果たしてどちらが正しいのかー矛盾からはじまる大冒険
白魔女が悪いやつだというタムナス。彼が嘘をついているというWhite Witch。それぞれからもてなされ話を聞いたルーシーとエドムンド。本当のことを言ってるのはどちらなのでしょう。果たしてナルニアは冬から脱出できるのかー。4兄弟のナルニア大冒険がはじまります。
When he bares his teeth,
winter meets its death,
And when he shakes his mane,
we shall have spring again.
彼が牙を剝けば冬は死に向かい
彼がたてがみを揺らせばまた春に出会えるだろう
#Point01
英語でライオンと魔女を読むポイント
ストーリーはいたって単純。登場人物は4兄弟に魔女とアスラン。アスランこそ真の主役ですが読んでからのお楽しみに。
セリフを中心に物語が展開するので、「だれがなにを言っているのか」順を追って把握していければ、細かい英文が理解できなくても楽しく読みきれます。
とはいえ、ある程度の長文読解能力は必要です。受験英語アレルギーがあるならきついけど、TOEIC600〜700あたりならさくさく読める肌感。イギリス英語特有の言い回しも多少ありますが、難解ではないので大丈夫。
WhiteWitchの魔法で一生クリスマスのない冬だったナルニア国に、春が訪れる。この対比的な情景描写を"英語で"イメージできたら収穫成功。心地よい読了感が待ってます。
Let's practice!
needn't (need not)= 〜する必要ない
”And by the way,”said the Queen, "you needn't about tell them about me"
The Lion, the Witch and the Wardrobe (Chronicles of Narnia) C. S. Lewis
「それからね」女王は言った、「わたしのことは彼らに言う必要ないわ。」
needn'tの言い回しってあまり文法で出てくる印象ないですね。it doesn't need と基本は同じ。しかしニュアンスとしては違いあります。
一般的な事柄で「必要性がない」ならdoesn't need、特定のことを指して「それをする必要性がない」ならneedn't。このような使い分けになります。
✔️具体例
「(手続き終わったから)もう来る必要ないよ」
→You don't need to come again,~~.
「(嫌なら)もう来る必要ないよ」
→You needn't come again,~~.
英語で読書のメリットは、文法レッスンで習っただけではわからないような表現にどっぷり浸かれること。言葉の強弱や緩急を少しずつ貯めていきたいものですね。
#Point02
バラエティ豊かな表装デザインが選べる
kindleで探していると同じタイトルで違う表紙の本がたくさんヒットします。
多読初心者なもので詳しい知識がないためアレですが、基本中身は同じなのでなにを選んでもOK。違いは「フォント・イラスト有無・本の大きさ・価格」などだそう。
ペーパーバッグで選ぶならよく吟味したほうがいい点ですが、kindleだとフォントはカスタムできるため、アプリのギャラリーに並んだときの見た目重視とします。気になるなら試し読みもできるんですが、やっぱり会員がお得。普通に中身チェックして選べます。
それにしてもやっぱり洋書はお洒落。なんでこんなにキラキラしているんでしょうか。多読して気に入った本からペーパーバッグをコレクションするのも素敵。
はじめての洋書なら英語学習向け書籍も
やさしく編集された書籍「ラダーシリーズ」「ペンギンシリーズ」は知ってますか?世界ベストセラー書籍をはじめラインナップは豊富。ライオンと魔女は見つかりませんでしたが、洋書ハードル高い〜っと思っているなら上記シリーズから逆引き検索をぜひ。
#AudioBook Review
全7作セットブックを無料入手
合計33時間超大作!ひとつで7冊分の聴く読書体験
Audibleでライオンと魔女を探していたら「ナルニア年代記大人セット」を発見。省略なしの正統派、口コミ評価も5点満点中★4.8と品質保証。そしてなんと...!Audibleは最初の1冊はプレゼントなので...実質無料でナルニア全編入手可能。各部俳優ひとりが丁寧に読み上げる心地のいい聴く読書体験。基礎リスニング力があれば楽しめます。
#Movie Review
動画配信サービスを選ぶ必要あり
字幕版で見るならU-NEXT
映画は直近で観ていないのでご紹介まで。映画は現在第3作までの制作です。動画配信サービスで観るならU-NEXTで全作字幕版配信中。残念ながらAmazonプライムでは1章・2章吹き替えのみ&3章だけ字幕版対応です。
> U-NEXTで観る
なんとなく手に取ったナルニア物語ですが目からも耳からも楽しめて満足です。やさしすぎず難しすぎず、じっとりしたダークさのない楽しい冒険ファンタジー。ストレスなく長く楽しめるタイプの作品でした。
洋書多読をはじめて間もないので感動という意味では印象が弱いのだけど、わりとすんなり読み切れた体験は英語人生を変えた。世界中の書籍はわたしのもの。一気に視界が開けた感覚はまるで春が訪れたナルニアです。
ファンタジー小説まとめあります
子供から大人まで楽しめる海外ファンタジー。豊かな表現とわくわくはらはらの冒険ストーリーで、英語だって思わず一気読みしてしまう刺激的な楽しさに満ちています。