みなさん、ぱっと英語を聞いた時に「あっこれはアメリカ英語だ。こっちはイギリス英語。」と判断つきますか?わたしが英語を勉強しはじめた時には"英語は英語"という感じで、いまいち違いが掴めずにいました。
けれども英語のリスニングができるようになってきてから、かなり違いがわかるようになりまして。映画を見ていて「あ〜この人はイギリス人だからジェントル風味の演出なんだ。」と思うようになったり、新たな楽しみも増えました。
イギリス英語を学ぶために必要な知識やとっかかりやすい勉強素材などをまとめました。ぜひみなさんの学習にお役立てください。
イギリス英語とアメリカ英語の違い
まずはいちばん気になるアメリカ英語とイギリス英語の違いから解説していきます。
わかりやすい違いは3つ。「発音、単語、スペル」です。
違い①発音
リスニングに慣れてくると、まず違いに気づくのが「発音」です。もっと言えばアクセントやイントネーションという感じ。
全部がつながったような中間音ばかりのアメリカ英語とは違い、イギリス英語は比較的全ての音をアルファベット通りはっきり発音する傾向があります。
- 【Rの音】舌を巻きません。
例)Air → 米:エア | 英:エー - 【Tの音】Tをはっきり発音する
例)Water → 米:ワダァ | 英:ウォーター - 【Aの音】アとエの中間音はない。
例)Tomato → 米:トゥメイトゥ | 英:トマート - 【Oの音】オゥ・アではなくオー。
例)Body → 米:バディ | 英:ボディ
tomatoとかイギリス英語のほうが俄然日本語に近いですよね。なので、意外にも日本人にとってはイギリス英語より聞き取りやすいという特徴があります。
わたしは少し英会話ができるようになってきた頃、先生に「あら!あなたはイギリスアクセントなのね!」って言われましたよ※発音が下手くそなだけ※
もし「リスニングがどう〜してもできない!」と悩んでいるなら、いったんイギリス英語から慣れてみるのもひとつの方法です。
違い②単語
よく使われる単語にも違いがあります。
- 「あら素敵!」
→ 米:Awsome!
→ 英:Lovely! - 「彼が好きなの。」
→ 米:I love him!
→ 英:I fancy him! - 「つまんない映画だった。」
→ 米:It was terrible.
→ 英:It was rubbish.
上記の3つはイギリス英語で日常的に特によく出てくる気がします。アメリカ英語ではほとんど出会わない表現ではないでしょうか。lovelyとかfancyってちょっとフェミニンな響きがありますが、男性でも普通に使います。
あとは有名どころでいうと「フライドポテト→米Frenchi fries / 英Chips」ですね。イギリスのフィッシュ&チップスはお魚とフライドポテトの意味です。ポテトチップスじゃありません。
違い③スペル
文章を読むときに感じる違いがスペリングです。
- 色
米 color|英colour - 旅行
米 traveling|英travelling - センター
米 center|英centre - 免許
米 license|英 licence - カタログ
米 catalog|英catalogue
これはもう慣れる・覚えるしかありませんが、知っていればそこまで混乱することなく読める違いじゃないでしょうか。イギリス留学したりお仕事で使う方は気をかけておくとよさそうです。
ということで、アメリカ英語とイギリス英語の大きな違いは以上3つです。
ほかにも細かな違いはたくさん出てきますが、その国で生活するならマスターすればOKでしょう。基本知識として「違いがある」ということがわかっていれば、英語学習に支障をきたすことはありません。
イギリス英語と階級の関係
ではイギリス英語単体について、もう少し詳しく見ていきましょう。イギリス英語だからこその特徴は「階級ごとに話し方に違いがある」という点です。
標準語:クイーンズイングリッシュ
わたしたちが一般的に耳にする機会のあるイギリス英語は「クイーンズイングリッシュ」と呼ばれる標準語です。ニュースや映画で話される英語です。
クイーンズイングリッシュは元々上流階級で話されていた英語。世界どこでも通用するキレイな言葉使いなので癖は強くありません。英会話教室などで学ぶイギリス英語もこちらです。
なので、英語の勉強をはじめたてだと違いに気づかないくらいかもしれません。他に「RP/容認発音」と呼ばれることもあります。
労働者階級:コックニー
上流階級のクイーンズイングリッシュに対して、労働者階級が使う「コックニー」というイギリス英語があります。ロンドン下町発音とも言われます。
こちらはかなり訛りが強いので、英語の勉強をはじめたばかりの方でも違いに気づけると思います。違いはわかるけど、訛りが強すぎて聞き取るのはキビしめです。
アメリカ英語と一緒で、かなり脱落する音が多いのが特徴です。
もし日本でコックニーを聞ける機会を探すなら、テレビのスポーツ中継の選手インタビューあたりでしょうか。あとはイギリス民間人のYoutubeですね。
その他:エスチュアリー
さらにもうひとつ、クイーンズイングリッシュとコックニーの間をとったような「エスチュアリー」があります。
イギリス階級社会の変化にともなって、近年増えていると言われていますが、頭の片隅に置いておけばOKでしょう。勉強するなら基本のクイーンズイングリッシュからで大丈夫です。
言葉使いから英国社会を知る
イギリスは長らく階級社会の歴史が続いてきた背景があるので、この「階級ごとの言葉の違い」自体が英語やドラマの題材にされることも珍しくありません。というか、かなり多いです。
その代表的な作品がヘプバーンの「マイフェアレディ」↓
コックニーやエスチュアリーを時間をかけてマスターする必要はありませんが、教養として知っておくのはおすすめ。楽しみ方の幅が広がります。
イギリス英語の学び方
というわけで、この先はイギリス英語を学ぶ方法をまとめました。学習にお役立てください。
イギリス映画おすすめTOP5
とにもかくにも楽しく勉強しましょう。おすすめはやっぱり映画です。
マイフェアレディ
イギリス英語の言葉使いや社会背景を知るなら、この映画なくしては語れません。下町娘がジェントルマンに拾われて、言葉を矯正しながら上流階級へ駆け上がっていくシンデレラストーリー。オードリー・ヘプバーンの代表作。
ハリーポッター
知らぬ人はいないであろう大ヒット作。実は発音の違いを知るのにうってつけなんです。マグルの子のロンはコックニー、おしゃまなハーマイオニーはクイーンズ。キャラごとに発音の違いに馴染めます。
ゲームオブスローンズ
わたしが人生ではじめて沼にハマった超大作HBOドラマ。イギリス俳優さんずらりです。正直英語レベルは高いですが、印象的な決め台詞も多いので耳に残ります。本当におもしろすぎて眠れなくなるのでぜひ。100%、耳慣れます。
>作品を見る
イギリス英語アンテナが立つと、かなりイギリス映画が身の回りに溢れてることに気づきます。歴史も学べるイギリス映画を別の記事でまとめたので合わせてチェックしてみてください。
イギリスの歴史を映画で学ぼう!
前編:【アーサー王〜18世紀奴隷貿易まで】
後編:【19世紀ヴィクトリア女王〜ブレグジットまで】
イギリス小説おすすめTOP3
文字で読むとどのへんが違ってるのか目に見てわかりやすいです。例えばこういう感じ↓
「ペンを持ってます。」
→ 米 I have a pen.
→ 英 I've got a pen.
※慣用表現、単純に言い回しの違いです。
耳だけで聞いていると「え?なに?got?現在完了?」みたいに混乱しますが、目で見ると落ち着いて理解できます。
少し堅苦しい感じはするので、児童小説あたりから無理なく読み進めていくのがおすすめの勉強法です。
チョコレート工場の秘密
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ナルニア物語
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ハリーポッター
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イギリス小説も別の記事でまとめてます。合わせてご覧ください。
【洋書多読】Kindleイギリス小説おすすめ21選※映画化作品限定
イギリス講師と話せるオンライン英会話
実際にお話しながら学習をしたい方はオンライン英会話でどうぞ。オンライン英会話は基本フィリピン講師が中心なので、イギリスネイティブと話せるスクールは下記の3択になります。
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ちなみにわたしがイギリス英語に興味を持ったのは、ネイティブキャンプの特別レッスン「カランメソッド」がきっかけです。英国発祥メソッドで、テキストや学習用音声は全てイギリス英語。
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イギリス英語まとめ
イギリス英語の特徴。この記事でひと通り掴んでいただけましたでしょうか。
英語を学ぶことはもちろんながら、イギリスは覇者として世界を牛耳ってきた長くて濃すぎる歴史が最大の特徴です。社会的背景にも興味を持ちながら学習を進めていくのが、イギリス英語を学ぶ上でいちばん大切なんじゃないかな思います。
わたしもイギリス英語に触れたおかげで、たくさんの英国映画を観て、基礎教養が身につきました。あまりにも学ぶことが多すぎるので、興味の持てるところからでOKだと思います。日々、新しい英語と世界に触れていきましょう。