「いつになったら英語が伸びるの?」と期待と不安の入り混じった気持ちで勉強しているみなさんに。
わたしが30代になってからはじめた英語学習の中で、いくどか経験できたブレークスルー体験をまとめてみました。英語のモチベを保つための参考に、ぜひお役立てください。
英語ブレイクスルーには何時間必要なのか?
「いつになったら英語が聞き取れるようになるんだろう」「いつになったら英語が話せるようになるんだろう」
英語をはじめてからしばらくの間、こんな不安でいっぱいですよね...。かくいうわたしも例外なく、英語ラーナーの永遠不滅の課題ではないかと思います。
しかしそんな悩ましい日々の中で、それはある日突然現れます。
ねぇ、どうしよう。朝起きたら英語の聞こえ方が変わってた。ネイティブ音声が昨日の30倍くらいクリアに聞こえるようになったんだけどなに。リスニングブレークスルー第2段かも。 夢でこうしたら的なお告げを得た(怪しすぎ
— ゆりあろん (@yurialonejp) October 30, 2021
感想はもう本当にツイートの通りで、「はっ...!全然違う...!何が起きた...!???」という感じです。
だからって「朝起きたら、突然英語がペラペラに!」という怪しすぎる情報教材ミラクルは残念ながら起きませんが、学習者にとっては飛び上がるほどうれしいご褒美だと思います。
ささやかながら、そのときに共通してやっていた学習をシェアしていきますね。
ブレークスルーを起こすために
がくんっと上達を実感するためには、「英語の勉強を超がんばること」が条件です。"ラクに誰でも手抜きでOK"というものでなくてスミマセンが、具体的には下記3つです。
- 高密度学習をする
- 100時間達成を目指す
- スピーキングを取り入れる
ひとつずつポイントを解説していきます。
①高密度学習をする
まずは、短期間で一気に詰め込み学習するのがポイントです。例えばテキスト1冊やるとして、1年かけて毎日5分やるより、1ヶ月で3周したほうが断然よいです。
大事なのは、頭の中は常に英語でいっぱいな状態にすること。「やってるうちは理解できなくても、気づいたらできるようになってる」の極みがブレークスルーかな、と思います。
教材はなんでもいいです。自分が興味を持てる分野から、わぁ〜〜と取り組んでみてください。
②100時間達成を目指す
では、どれくらいやればいいのでしょう?という目安が、まずは100時間です。
100時間
=1日3.3時間×30日
毎日3時間以上やれば自動的に高密度学習になります。空いてる時間があれば常に英語、という状態。
なぜ100時間かというと、これはわたしの体感で、「50時間で小さな変化を実感→100時間で大きな変化を実感」といったサイクルが定番でした。
「いや〜1日3時間も普通に無理でしょう。」というのが至極まっとうなご意見ですが、
- 通勤中のリスニング
- SNSの英語アカウントチェック
- 歩きながらのひとりごと英会話
などカウントしたら、意外と1日3時間イケる気がしませんか?
時間は個人差もあるのであくまで目安です。2ヶ月で100時間こなしてもいいですし、もっと少なくてもブレークスルーできる人もいるでしょう。
イメージとしては「ひとり留学状態」です。永遠に3時間も取り組むのは出家でもしない限り難しいですが...学びはじめは伸び代しかないのでブレークスルーを味わうチャンスです。
意識してスタートダッシュをかけてみてもいいと思います。
③スピーキングを取り入れる
最後に、高密度100時間学習の中に、必ず「スピーキング」を取り入れること。絶対に絶対にハズしてはいけないポイントです。
その証拠に、わたしがブレークスルーを経験できたのは全てオンライン英会話を始めてからのみです。それ以前に半年ほどTOEIC勉強をひたすらしてましたが、鳴かず飛ばず。基本リスニングですら、もやがかかったままの残念な結果でした。
英語は言語なので、実際に声に出してコミュニケーションで使うことではじめて姿がくっきりするんだと思います。
だまたされたと思ってトライしてみてください。格安オンライン英会話で十分すぎるほど効果あります。
いろいろテクニック的なこといいましたが、花粉症みたいなイメージ。コップの中に英語たまりきったら一気に溢れ出る=ブレークスルー!です。
大人の英語学習時間の目安
ここまでは、わたしがブレークスルーを感じたときに共通してやっていた勉強法です。
100時間で上達は感じますが、「これはブレークスルーだ!」と自信を持って言えるくらいに変化があったのは300時間です。「英語に夢中!」という状態で3ヶ月だけとことんがんばると変われます。
とはいえ、あくまでも個人談なので、実際英語の上達にはどのくらいの勉強時間が必要なのか根拠も調べてみました。合わせて確認してみてください。
エリートレベル:2,200時間
\総合時間/
世界に通用する英語習得時間
・レベル:全体的に流暢に話せる
・時間:毎日3時間×2年半ほど
・根拠:米国国務省の語学研修データ
英語話者が日本語を習得するために必要な時間が2,200時間だそうです。日本語と同じ難易度に中国語、韓国語、アラビア語が該当しています。
しかし...毎日3時間×2年半以上のタフな勉強できる人はおりますか?最初から2,000時間越えを目標にすると挫折します。
もう少し達成できる目標に落とした数字を見てみましょう。
ビジネス英語レベル: 1,000時間
\大人の学び直し英語/
義務教育分を差し引いた目安時間
・レベル:必要な英語なら流暢に話せる
・時間:毎日3時間×1年ほど
・根拠:TRAIZ
大人の学び直し英語なら義務教育分を差し引き、約1,000時間が目安となるそうです。
話せるようになると評判のコーチング英会話のトライズでも「1年間で1,000時間の勉強量の確保」を目指す指導を打ち出しています。
ビジネス英語というと少し語弊があるかもですが、どこか得意ジャンルを決めて、徹底的に打ち込む1年間を過ごしてみるのが効率よく英語力アップをさせられると思います。
ブレークスルーレベル:300時間
\まずは耳が育つ/
リスニング力UP:3ヶ月
・レベル:意思疎通が取れる
・時間:毎日3時間×3ヶ月ほど
・根拠:実体験
そして、最後に。今回のテーマのブレークスルーに必要な時間は300時間です。
短期集中で高密度学習することで、都度苦手が潰れていきます。スピーキングよりリスニングのほうが圧倒的に伸びが早いので、英語学習初心者さんはまずは英語耳強化を目指してみてください。
わたし自身は、英語学習1年目にネイティブキャンプの4倍速習得レッスン「カランメソッド 」を受けて、朝から晩までひたすらシャドウイングしている状態が効きました。
▼参考学習例
- 通勤中にリスニング&シャドウイング(約1時間)
- レッスン1~2本+予習復習(約1時間)
- その他、単語勉強や洋画を見たり(約1時間)
わたしは途中でゆったり勉強に切り替えてしまいましたが、やっぱり集中学習すると明らかに伸びる感覚が全然違います。資格試験などを利用してブーストかけるやり方もいいかもですね。
まずは自分が続けられる勉強法を探してみてください。
ちなみに「やっとスピーキングが少し上達した。」と思えるまでに1年かかりました。単語英会話→文章英会話に約500時間以上です。語学って大変ですね...あせらずに行きましょう。
ステップアップ編:中級者の壁
ミニマム300時間でブレークスルー、1,000時間である程度話せるようになる。けれども、この先が果てなき道です。意思疎通には困らないけど、なかなかそれ以上伸びないなぁ...とまた凹みます。
しかし、悩んでいたのはわたしだけじゃなかった。英語学習専門出版社のアルクさんのサイトを眺めていたら、「中級者の壁」があるというドンピシャな記事を見つけました。
入門から初級や中級までは、ルールや要領を少しずつ身に付け、練習が成果となって右肩上がりの上達を示す楽しい時期です。
English Journal
ところが、中級レベルからさらに上を目指すとなると状況は異なります。
今までと同じ様に練習しても、目に見える上達がない、次のハードルが越えられない、そして練習方法にあれこれ悩む、そんな時期が訪れます。これが「中級者の壁」です。
中級者の多くはそこで挫折し、結果的にごく一部の成功者のみが上級レベルの技術を勝ち得ることになります。
おお、なんとまさにこれ。じゃあなにをしたらいいのかというと、鍵となるのは「自動化」だそうです。
中級者が「熟達した英語使用者」になるため越えなければならない壁は「自動化」です。自動化とは、私たちが母語で自動的に言葉を使っているように、英語においても自動的に使えるようにすることです。
English Journal
言い換えれば、今まで以上に速い言語処理スピードです。つまり、次のようなことです。
速く読める
速く(辞書の助けを借りずに)書ける
速く(一度で)聞ける
速く(流暢に)話せる
「速く」と言っていますが、母語話者の基準で言えば「自然の速さで」ということになるでしょう。
うーむ、納得です。「英語処理高速化=慣れ」には再び1,000時間の練習が必要らしい...うっ...
という感じなので、ある程度意思疎通に困らなくなったら、無理なく楽しく続けられる勉強に切り替えるのも悪くないんじゃないでしょうか。
アルクさんの代表誌「English Journal」は、毎号学習者の悩みに寄り添った勉強法を取り上げてくれてるので、一度読んでみることをおすすめします。
※バックナンバーから悩みに合った号を探してみるのがおすすめです
わたしは英会話実践の機会は極端に少ないため方向転換。「英語多読=洋書をスラスラ読めるようになる」を目指して学習継続中です。おかげさまで、英語がすっかり生活の一部になりました。
これから英語はじめるみなさんは、まずは最初の3ヶ月。「英語が上達した!英語楽しい!自分でもやればできる!」の実感が持てるように、少し気合いを入れてスタートしてみてはいかがでしょうか。
きっと「ある日突然英語が...!」の奇跡に出会えます。